おくりびとー小堀 vol.2
第12話ーおくりびと 小堀の話
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【父が末期ガン】
市の健康診断の結果
ガンがわかった、しかもステージ4
年齢も80近いので医師からは首を傾げられながら親父は抗がん剤と闘って負けた。
最期の方は自分の言いたいことを思っても言わず、痛くても看護師にも言わず、サムライか?と言いたいけど言えず、
私が面会に行く時は、感情を出してくれてたのかなぁ?と今では思う。
食道ガンだと水も飲み込め無い
「冷たい水がキューっと飲みたいなぁ!」と親父の心が私の心に聞こえてくる
なので.私が「そうだねー!」っと言う、親父はギョッとした顔でこちらを見る
そんな繰り返しで
ある時は病室のテレビでカープの試合をやってたが寝返りが打てないので
ナースコールで体勢を変えてもらった時や
その他にも親父が言葉に出来ず心の声が聞こえた時には
その声には行動で答えた。
知ってか知らずか親父は
「お兄さんは気が効くのう」って
よく言うようになった。
そろそろヤバそうな頃には
「ワシもそろそろじゃのぅ、明後日くらいかのぅ」
そういった親父はその日の明け方に逝った。
お通夜の明け方に
「ありがとうの!人に優しくの」と私の心に語りかけて天に上がった。
親類縁者に親父の最後の言葉を伝えた
葬式で親族は故人に言葉をかけてあげて下さい
そう言われて
「ありがとう親父!」
そう言うと自然と涙がこぼれた。